アドバイザー・カウンセラーのための「成長スパイラル型カードゲーム」の可能性
今日は、ちょっと面白い体験をシェアします。きっかけは「AIでゲームをつくってみようかな」という、ほんの軽いノリでした。ところが出来上がったのは、思っていたよりずっと深くて、“人を支える力”にダイレクトにつながる――そんな学びのカードゲームだったんです。
「この子を支援してください」AIがつくった支援体験
生成AI(今回はGemini)に
「カウンセラーやアドバイザーのスキルアップに使えるゲームって作れるかな?」
と投げかけたところ、出てきたのがこんな構造。
登場するのは3人の“支援対象キャラクター”。たとえばこんな女の子が出てきます。
● あかねちゃん:素直で努力家。でもすぐに自信をなくしてしまう。
「私って、向いてないのかも…」と悩んでいる状態。
プレイヤーはアドバイザーとなって、あかねちゃんに寄り添い、声をかけます。たとえば、彼女が「もうだめかも」と口にしたとき、あなたなら何と応えますか?
- 話を聞く
- 目標を再設定する
- 「もっと頑張れるよ」と励ます
- 共感の言葉を伝える
正解は一つではありません。でも、その言葉の選び方によって、彼女の自己肯定感やモチベーションが変化していくんです。まるで、本当のセッションのように。
「共感」だけでは足りないこともある
このゲームのすごいところは、あえて間違えることも学びになるという点です。たとえば、良かれと思って「もっと頑張れるよ」と励ました結果、赤音ちゃんが「さらに追い詰められた気持ちになりました」と反応する。これ、現実の支援の場でもよくあることですよね。相手の状態や気持ちをくみとる“感性”と、言葉のタイミングや内容を整える“構造”。まさに、感性と構造の両方が求められるのが、支援という営みなのだと、改めて思わされました。
AIは「教える」より「問いかける」道具にできる
僕自身、このゲームを通じて、AIの可能性を再認識しました。AIは知識を出力するだけでなく、こうして「人間が考えるきっかけ」をつくる存在にもなれるんだな、と。
特に、支援者やアドバイザーのように「人と人の間で生きる」仕事をしている方にとって、こういった問いかけ型・体験型の教材は、ただのツールではなく、進化の場になりうると思うのです。
「学び」と「遊び」のあいだに、進化がある。
この仕組みをベースにカウンセラーやコーチ、講師の方々向けに、オリジナルの支援ゲームを作る予定です。セミナーや講座の中で、ただ伝えるだけでなく、体験から“気づき”を育てる構造をつくりたいと考えているからです。それは、知識を教えるよりも深く、そして、受け取った人の内側でじわじわと育っていくような学び。
AIという冷たいテクノロジーの中に、実は温かい可能性がある。ぜひこちらの動画をのぞいてみてください。
支援力は、教えるものではなく、育てるもの
AIという“異質な存在”と手を取りながら、新しい学びと支援の形を、私たち自身の手でつくっていけたら――。そんな思いで、これからも試行錯誤を重ねていきます。一緒に未来を面白がってくれる仲間がいたら、嬉しいです。